理事長挨拶

東京都健康長寿医療センター神経内科・高齢者ブレインバンク部長、神経病理研究部長 村山繁雄

村山繁雄前理事長、高橋均新潟大学副学長の後を継ぎ、法人化後第一代神経病理学会理事長に、2018年4月1日付けで就任しました。高橋先生は鈴木衣子ノースカロライナ大学名誉教授の兄弟子にあたり、ICN2018学会長(2018年9月)であられ、事務局長として支えていくつもりです。

理事長公約として、オールジャパンブレインバンクネットワークの構築、神経病理学会認定医システムの創設、神経病理学会の領域の拡大をかかげます。

ブレインバンクは、委員会を1987年に立ち上げて以来の本学会の活動のコアの一つです。1989年東京都健康長寿医療センター神経病理部門の公募時、高齢者ブレインバンク創設をかかげ採用されました。理事、ブレインバンク委員長に就任後、2011年に文部科学省研究支援課の助成により、オープンリソース、品質管理情報の公開、生前同意登録を基準に本学会で公募し、日本神経科学ブレインバンクネットワークを創設しました。2017年にAMED融合脳横断リソースとして、日本ブレインバンクネットが、国立精神・神経医療研究センター齊藤祐子理事を主任研究者として立ち上がり、本学会ブレインバンク委員会が下支えをしています。

ブレインバンク委員会は、全国のブレインバンク生前同意登録者の剖検引き受け拠点を基準に構成されており、2017年には生物学的精神・医学会と合同でブレインバンク倫理指針を制定しました。今後脳腫瘍を含むバイオリソース、神経病理確定診断のついた放射線画像データリソース構築に、関連学会と協力しながら取り組みます。

剖検神経病理において、学生時代より毎年通った新潟脳研夏期セミナーブレインカッティング(BC)で肉眼所見のとり方を、神経病理学会・地方会での標本閲覧で、組織所見の見方を勉強しました。関東臨床神経病理懇話会(KNP)では、神経放射線専門医読影を加え、CPCに近づけました。BC/ CPCを中心とする教育システムを、今後も学会として発展させていく所存です。

神経・筋病理に関して、都立神経病院神経内科後期研修医時代、埜中征哉先生にならいその指導下に、筋生検データベース構築をはじめました。正確な形態病理診断のついたリソース蓄積の重要性は、全米癌登録の成果からも明らかです。1987年にスタートしたNeuromuscular Conference(NMC)では事務局長を勤め、KNPと同じ形式をとっています。また神経・筋生検の取り扱い実習としてNMC教育コースを年1回神経学会ハンズオンセミナーとして行っています。これらを本学会教育コースに組み込んで行ければと考えています。

脳腫瘍に関しては、留学時代迅速診断に携わりました。オンコール時手術室に走って行き、脳外科執刀医から放射線画像、手術顕微鏡画像の呈示後、標本を受け取り凍結切片作成、自己診断後神経病理専門医の校閲を受け、外科病理品質保証カンファランスで呈示することを3年間続けました。現在も脳腫瘍迅速診断は続けています。脳腫瘍病理診断は米国では神経病理医のIDであり、教育システムの構築に着手していきます。

最後に領域拡大として、神経科学、法医病理、獣医病理との連携に取り組みます。お手本は、私が学会誌副編集長を勤める、米国神経病理学会です。

任期の2年間を全力疾走するつもりです。皆様の協力をよろしくお願いします。